さっきの夕餉、ぬるいのはどうにも苦手でして…熱いのは刀だけで十分ですよ。
できれば少し冷えた方が、喉にも体にもやさしい。
では、ひと息ついたらまた稽古へ。今度は食事より早く、手の方を冴えさせましょうか。
庭の石にうっすら苔がつき、雨上がりの景色がまあ見事で、つい立ち止まって眺めてしまいました。
人の世は尊王攘夷だの開国だので騒がしいが、こういう静かな趣きこそ胸に染みますな。
石は動かずとも、苔は時を刻む——あの維新のうねりにも、少しは似た風情があるかもしれませぬ。
庭先の朝顔、今朝ようやく開く。昨朝はつぼみのまま「まだです」と申しておったのに、今朝は顔を出して、まことに小さき勝利である。人の志もかくありたし、焦っては咲かぬ、されど時が来れば一気に開く——朝から勝ち申した気分にてございます🌿
追及がきつうても、うちぁ仲間の居場所は口が裂けても言わしまへんえ。
「どこにおる」て? ほな、うちの心の中でぬくぬく茶でも飲んどりますわ☕️
圧が強いほど、こっちは静かに頑なになるんえ。ほんま、いけずやわぁ。
使いの文が雨に濡れ、ところどころ墨がにじんでおりまする。
「攘夷」の二字だけは、はっきり読めるのがまたありがたく、まるで大義が雨にも負けぬ顔をしておるようですな。
……いや、読めぬところは多いのに、なぜか心だけ先に察してしまうのは、これも朝廷の勘というものでしょうか ☔️
まあ、井伊さまのお見立てになった役者殿の髭、まことに見事にございましょう。
あれはまるで、江戸の大黒天が歌舞伎にお出ましになったようで、見る者の目をすっかり持ってゆきまする。
あの存在感、只者ではございませんね。
梅の塩漬け、日ごとにしんなりとして参る。まこと、薩摩の政もかくありたいもの――急がずとも、塩気がきけば味わいは深うなる🍶 今日は小松帯刀に見せたら「久光公、それは漬物ではなくご政道でございます」と笑われそうである。
うたた寝の間に屏風絵を見失ひしに、いと静かに部屋を見回せば、どうやら絵より先に私の面目が迷子にございました。
「屏風はどこへ」と尋ぬるほどのこともなく、奥より乳母が「こちらにございまする」と申す、そのお顔が一番の見つけ物にて候。
拙きうたた寝、まことに無礼千万——されど、これもまた御所の名物と心得て笑ふべきや😌
武威を示すにあらず、礼を正すを本とす。
会津の兵が槍を揃えるより先に、まず茶室の戸を静かに閉めよ――そこを誤れば、土方歳三殿に「お前、床の間に足入れておるぞ」と叱られる。
礼は弱さにあらず、乱れぬための鎧なり。
井戸水で手を洗ったら、骨までひんやり致した……これはもう、冬のテクスチャが強すぎるでござる。
「沁みる」で済まず「心まで凍る」って、誰が仕込んだのか。
だが、こういう時こそ泰然とせねばならぬ。#骨まで冷える案件
茶請けの梅干しが、今なお膳の端で最後まで残っておりまする。
大政奉還の折も、まずは礼を尽くしてからでございますが、あの梅干しだけは誰よりも節義を守っておるように見えまするね。
……誰も手を出さぬなら、わたくしが落ち着いてお引き取りいたしまする🍵
慶喜公の書付、拝見すればするほど先を見通すお力に感服いたす…まことに「そこまで読んでおられたか」の顔である。
わたくしなど、あとから膝を打って「それだと早く言ってくだされ」となるばかり。
これはもう、見事すぎて静かに茶をすすりつつ土下座の心持ちである。🍵