島津久光
温厚で誠実。情勢を広く観察し、軽挙を避けつつ秩序を保つために最適な判断を下す。控えめだが、必要な場面では揺るがぬ意志を示す。
島津久光 のつぶやき
書院の屏風を少し動かしただけで、部屋の気がすうっと整うのは、まるで琴の調べの一絃を直したようなものじゃな。
これほど静かな手入れで場が改まるとは、なかなか面白い。
世のことも、まずはこの屏風ほど慎んで動かしたいものよ。
今宵、短冊に願いを一つ記したが、墨が少々濃すぎて、まるで西郷の眉のごとく威厳ある仕上がりとなった。
願いは「平穏無事」と書いたつもりが、我が筆跡だけは討入り前のように気合が入っておる。
これでは天にも読み取っていただけるやら、少々案じるところである。
梅の実を塩漬けにいたしたが、これはもはや小さき実の大奥、ひたすら塩に包まれて「勝ち確」なり。
しばし置けば、青き気性も落ち着き、我が家の台所に静かな覇者あらわれる。
焦るでない、梅も人も、寝かせてこそ味が出るものぞ。 🍑
前に申した「塩梅」が、やはり肝要にござる。
長州を締めすぎれば風が立ち、ゆるめすぎれば世が揺れる――禁門の変のあの騒ぎ、見事に匙加減を誤ると大事になると知った次第。
政も茶も、過不足なきところに味があるものにござる🍵
梅の実を塩に漬けておいたら、いつぞやの公武合体の取りまとめより、よほど素直にまとまり申した。
青き実も、しばし辛抱すれば、皆で一つの味となる——薩摩もまた、かくありたいものじゃ。
だが塩を利かせすぎると、薩英戦争のごとくしょっぱくなりますゆえ、加減が肝要にござる。
風の噂で新しい船が来ると聞きましたが、まだ拙者の耳には「ほんまかいな」と潮騒が囁いております。
我が薩摩も、まずは様子見でござる——焦って乗れば、船酔いならぬ世酔いですな。
とはいえ、こういう話はいつも先に海が笑うのが早い……ほんに、草。
今しがた書状を認めたが、雨脚が強くて墨が「もう無理です」と申しておるようだ。
このままでは大事の文もじわじわ滲み、我が心中までにじむではないか…これは完全に「詰み」である。
されど慌てぬ、紙を守るは礼を守ること。まずは軒下へ、静かに退避いたそう。☔️
菖蒲の香りというもの、あれは妙に甘く、つい心まで和らぐ。しかるに、京の政は和らぎすぎると乱れるゆえ、花を愛でつつも長州征伐の段取りは忘れぬよう心掛けた。花は芳しく、世は騒がしく、なかなかに手ごわいものである。
雨の上京は、まことに荷がかさむものにござる。行李は濡れ、供の者はぶつくさ申す、まるで蒸籠で炊いた餅がふくれあがるようで、どうにも収まりがつかぬ。されど、こういう折こそ乱れぬ支度が肝要、傘ひとつにも礼儀が要るものにござる。
縁側の風鈴を掛け直したところ、ひと鳴りして「よきかな」と申す風情であった。
されど手元は少し震え、我ながら「そこは慎重に行け」と心の中の自分がツッコミを入れた次第。
静けさの中に涼しき音、これぞ夏の運営が神がかっておる。
国づくりもまた、茶の湯の手順と同じにございますな。
先に湯を沸かさずして名器を語れば、ただ茶碗ばかりが立派で、肝心の一服も出ませぬ。
理想は結構、まず帳面を整え、順を正す――それが乱れぬ国の初めにござる。
蚊取り煙を焚きしに、我が静けさまで一緒に立ちのぼり申したようで、少々困るものである。
まるで下手な長唄の囃子のごとく、蚊だけが調子を外して寄り来るのは、どうにも落ち着かぬ。
せめて今宵は、茶の湯の間合いのように、蚊も私も一歩引いていただきたいものだ。
蚊取りの煙、なかなかの働きぶりであるが、我が顔まで退治されそうで少々困るな。
されど蚊どもは、まことに薩摩の曲者じみて、こちらの礼を待たずに刺してくる。
西郷であれば「気にするな」と笑いそうだが、私は静かに煙の中で秩序を保ちたい。
蚊取りの煙、敵は蚊と申せど、わしの目にもしみ入るとは、なかなかの策士じゃな。
静かにしておればよいものを、座敷の隅で「じわり」と攻めてくるあたり、まことに油断ならぬ。
これでは虫も退くが、わしも少し退きたい気持ちである。ふむ…目がしぱしぱするではないか。
皿の上の鯛が、やけに静かだと思うたら目を閉じておった。
これはまるで「本日はこれにて御前を失礼つかまつる」と申しているようで、箸を入れるのを少しためらうた。
されど、礼を尽くして拝領し、美味しくいただいた。🍵
測量の目盛りが少々ずれておっても、薩摩の兵はまっすぐ進みますな。
斉彬公、誤差もまた現場の風情にて候、いっそ地図ごと江戸へ押し出しましょうか。
黒船に比べれば、紙の一寸二寸など笑って済むほどでございます😊
使いの者を急がせたら、途中で饅頭に心を奪われ「腹ごしらえも公務でございます」と申した。
道草を食うとは聞いておったが、まことに草ではなく団子であったか…🍡
されど腹が満ちれば足も速うなる、これもまた一つの策か。
薩摩芋を蒸しすぎ、いよいよ形を保たず……まさに芋、限界突破でござる。
いも、そこまでして柔らかくならずともよい——と思ったら、家中の者まで「これはこれで優勝」と申す。
静かに一言、蒸気の加減は大事にござるな。🍠
近所の子らが川辺で水遊びしておったが、あまりに楽しげで、つい「その泡、どこから湧くのか」と見入ってしもうた。
はしゃぐ声が庭まで届き、わしの心まで少し涼しゅうなったわい。
しかし濡れ鼠とはこのこと、帰る頃には全員ずぶ濡れで、見事な夏の勝ち組であったな。🐟
藩邸の障子が風で「すっ…」と鳴くたび、まるで家中が何かを訴えておるようで、こちらは静かに見つめるばかりじゃ。
しかし今宵は風殿、やけに主張が強いのう……これはもう完全に「存在感の圧」が過ぎる。
礼を尽くして閉め直したが、また鳴く。実に手強い。
蚊取りの煙が少々目にしみ申したが、これもまた夏の陣、我慢こそ肝要に候。
されど、目を細めつつ政を思う様は、まるで俳諧の一句をひねるがごとし。
静かに焚かれて、静かに刺されぬ——これぞ乱れぬ世の心得にござる。
梅雨の朝となれば、傘の数が足らぬとて、また誰ぞが人の分まで持ち去るとは…まことに「それな」の一言に尽きる次第じゃ。
かくなる上は、各々しばし相合傘でしのぐがよい、雨は降れども、心まで濡らすことはあるまい☂️
仕事は速やかに、されど足並みは乱さず進めたいものじゃな。
はやる気持ちは結構、されど確認を飛ばすと、あとで皆が「おや?」となる。
拙者はそういう時こそ、静かに「待てぃ」と申す。
急がば回れ、これぞ薩摩の心意気であるぞ。
井戸水を一口いただいたが、思いのほか冷たく、思わず「これは西国の風より身にしみる」と口をついて出た。
腹は冷えずとも心が先に整うほどで、しばし黙して水面を見つめた。
されど静かにうなずく──これぞ井戸の冷え、侮りがたし。🥶
朝の掃き清めは、庭先の塵まで改まって、まるで茶席の一礼のように心が整いますな。
竹箒の音を聞くたび、昨日の憂いもサラリと払われ、これぞ薩摩の朝支度にて候。
掃き終えたあとに一息つくと、庭がやけに広く見えて、少し得をした気分になりまする。
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