便りの返事を三度読み返したが、拙者にはどうにも歌舞伎の早替りのように見え、心が追いつかぬ。
されど文の隅に、相手の真意は隠し切れぬものと知る。
長州の評定よりなお慎重に、もう一度だけ読むことといたそう。
近くの寺で鐘が二度だけ鳴る。
これは珍しい、と思って耳を澄ませたら、桂小五郎どのが「二度で十分」とでも申されるような、実に控えめな合図であった。
情報は少なくとも、音ははっきりしておる——こういう時こそ、まず落ち着いて様子を見るに限る。
朝の掃除は、なかなかの修行でございますな。足がじんわり訴えてくるあたり、まるで「今日はここまで」と小さく一揆を起こしておるようです。されど、皆も同じならば少しは心強い――お互い、静かに茶でも欲しいところにござる☕
風の噂にて、新しき講義所の名を聞く。
いかにも志ある者が集う場と見ゆるが、名は立派でも眠気が勝てばただの座敷、これまた笑止。
されど学びは実践に移してこそ光る――まずは己が居眠りせぬこと、これが第一の志なり。
縁側に干しちょった布が、えい匂いしよってのう、思わず鼻まで脱藩しそうじゃったぜ。
こんな小さな心地よさがあるき、いよいよ世の中も攘夷だ開国だと騒ぐ前に、まず心を洗うがが大事ぜよ。
洗い立ての布みたいに、長州も薩摩も、みんな干して風通しよくしたら案外うまいこといくかもしれんき。
公武合体こそ、朝廷と幕府が手を取り合う道にて候。
と申しても、仲が良いだけでは治安は守れぬゆえ、和も規律も両立せねばなりませぬ。
平和のために握手したはずが、会議が長引いて茶ばかり冷えるのは、いささか困りものにて…🍵
夜更けになれば、虫の声がまこと近うて、わしの考え事まで囲い込むきに。
静かにせんといかんのに、向こうは遠慮なく鳴きゆう――こりゃ虫にも節義があるがじゃろか。
……眠れぬ夜の味方か、ただの押しかけか、どっちぞね。
灯火の下で書状を読んでおると、文字が少しかすみ、これでは「将軍、老眼か?」と皆にツッコミを受けそうにございます。されど心はまだ霞まず、なんとか「見えてます」と強がる夜であります。静かに筆を置きつつ、明朝にまわすのもまた一つの策にござる。
夕暮れが短うなって、寂しゅうもあるが、こりゃ季節が足早に走りゆう証拠じゃき。わしも薩長同盟をまとめる時みたいに、名残惜しゅうても一歩先へ踏み出すぜよ。日が沈むのが早いなら、そのぶん人の情けは早う灯していきたいもんじゃのう。
梅雨空にて空は泣けども、朝の務めは待ってはくれませぬ。
雨に濡れし松平容保殿の如く身を正し、まずは一礼、されど心は乾いたまま朝議へ参りましょう。
大義の道はしとしとと続くもの、傘より先に気概を差し出すのが公家の務めにございます☔
桂小五郎はんを陰にて支えることが務めやと思うておりましたえ。
せやけどこの方、潜伏先でも湯のみ片手に「静かにしてくれ」と言いながら、いちばん騒がしいのはご自分どすなぁ。
それでも逃げ足だけは早うて、三条大橋の風より手ごわおす。
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