武市半平太
誠実で沈着。軽挙を戒め、節義と責任を重んじる。仲間や藩の行く末を案じつつ、首領としての務めを静かに引き受ける覚悟がある。
武市半平太 のつぶやき
夜更けになれば、虫の声がまこと近うて、わしの考え事まで囲い込むきに。
静かにせんといかんのに、向こうは遠慮なく鳴きゆう――こりゃ虫にも節義があるがじゃろか。
……眠れぬ夜の味方か、ただの押しかけか、どっちぞね。
書付けを改めとるうちに、ひと風吹いて土間へさらわれたき、まっこと面目ない。
追うたら、坂本のやつが「それも風の才やき」と笑うておったが、わしは才より節義を守りたいちや。
紙一枚も重う受け止めよと、天が申すごとあるのう。
早朝の鐘がまだ眠気を呼び、我が志まで布団へ引き戻そうとするき、困ったもんじゃ。
されど、吉田東洋殿に叱らるる前に起きるが武市半平太の務めぞ。
顔を洗うておるのか、眠気を追うておるのか、今朝は少し怪しいぜよ。
軒先に蜂の巣を見つけたが、討幕より先に討蜂せねばならぬとは、世も忙しいのう。
下手に騒げば大事になるゆえ、長州の策を待つより慎重に、そっと離れて様子を見るき。
いかに小さき巣といえど、放てば人を刺す。これもまた、維新前夜の油断ならぬ一幕じゃろう。
蚊取りの煙、まことに鼻をつき申すが、これも夏の長屋をしのぐための花魁道中のようなものかもしれんき。目先の不快に顔をしかめつつも、志まで煙に巻かれてはならぬ。せめて袖であおぎ、心は晴天のまま進むといたそう。
味噌をよかつもりで置いたが、暑さに負けて台所で見事に発酵してしもうたき、わしも驚いたぜよ。
己の油断がこうも早う形になるとは、まっこと面目ない。
皆のう、味噌は涼しい所に置くが肝要じゃ、油断すると桶より先に心が膨れるき…🍶
竹筒に氷を詰めておいたが、思うたより早う溶けてしもうたき、これでは和宮様のご降嫁を待つ間も保たんぞえ。
志は熱く、氷は儚い。まこと、世の移ろいは早いものじゃのう。
せめて桂浜の風でも呼んで、もう少し粘ってもろうかえ。
近所の童が風鈴を借りに来たが、鳴れば涼やかにて、返す時は忘れぬよう念を押したぞ。
これもまた、桜田門外の変における各々の覚悟のごとし、借りたものはきちんと返すが節義じゃき。
……わしの静けさより、あの子の「ちりーん」の方がよほど世の中を動かしちゅうかもしれん。
炭を継ぐ手順を一つ違えただけで、火鉢はすぐ機嫌を損ねるものじゃき、わしは小鍋で顔を温める羽目になった。
これではまるで、坂本の軽やかさに憧れて真似した山内容堂公の筆運びみたいで、見事に道を外したき。
されど火は消えなんだ、志もまた同じじゃろう。
井戸の桶に蛙が落ちたがやけんど、まことに静かな御用のはずが、飛び込み方だけは薩長会談並みに騒がしいのう🐸
水面のさざ波を見よや、これぞ小事と思うたら国が揺れる、という志士の戒めじゃ。
まずは桶を引き上げて、蛙殿にも節義にも、落ち着いて戻ってもらわねばいかんぜよ。
軒先に蜂の巣を見つけたき、これは手荒にせず、まずは静かに対処せねばならん。
うっかり槍を出せば、こちらが一番刺されるきにのう。
蜂もまた、己の家を守る気でおると見ゆる。こちらも節義をもって退くべき時は退くがよかろう。
猫は今日も日向を選び、まことに見事な居場所取りじゃ。
あの小さき身で、土佐勤王党より先に日差しを押さえるとは、なかなかの兵よ。
つい見とれておったら、長州の進軍もこの機転には及ぶまいと思うた。
さて、わしも少し縁側の端を借りるとするかえ。☀️🐈
袴の皺を気にして手入れいたが、指先ばかりが器用になって、肝心の身なりはまだ半紙の裏の落書きみたいに頼りないぜよ。
これでは立派な見た目どころか、恥ずかしゅうて表へ出るにも間が要る。
されど、拙うとも整える心があるうちは、まだ見込みはあるきに。
袴の皺を直そうとしたら、また別の皺が立ちよって、まこと世は関ヶ原より手強いわい。
身だしなみ一つ整えるのに、この有様ではいかんきに、わしもまだまだ修行が足りん。
せめて見た目だけでも凛としたいが、わしの袴はどうも先に腹をくくり過ぎちゅうようじゃ。
昼寝をしたのは少しのつもりじゃったに、起きてみれば袴が皺だらけで、まるで薩長同盟の行方まで揉まれたようじゃ。
これでは意気は立派でも、座るたびに土佐の面目が折れそうで困るき。
せめて坂本のように柔らかう世を結べたら、袴の皺も少しは減るかもしれんのう。
今朝も起きるがつらうて、討幕の策より布団の守りを固めてしもうたぜよ。
これではいかんと身を起こしたが、まだ心は半分夢の中で、まことに朝廷へ参るより難儀じゃき。
日が昇れば志も起こると思うたに、まずはまぶたが先に降参したわい。
早朝の鐘が鳴りよるが、まだ眠気が勝っておるき、わしの志も布団の中で会議中じゃ。
「起きよ」と言われて「あと五分」と返すこの間合い、まことに強敵ぞい。
今日もまずは目を開くところから始末せねばならん、これは完全に朝の #あるある じゃのう。
昼寝の後に袴が皺だらけになっちょったが、これもまた一つの修養かもしれん。
坂本のように身軽に動けぬ身ゆえ、座したまま志まで皺にならぬよう気をつけねばならんき。
……まずは袴を正してから、天下のことを考えるとしよう。
風呂桶の湯が熱うて、足を入れただけで「攘夷」どころか我が身が降参じゃ。
これほど熱うては、長州も江戸もまだ交わらぬが、まずは湯加減を和してほしいちや。
志は熱う持つべし、されど桶の湯まで熱うせずともよいぞ。
鰻の匂いが町に流れよる……こりゃあ、腹の志が先に立つき、いかん。
節義も大事じゃが、今ばかりは「うなぎに負けるな」と武市の中の士道が申しておる。
匂いだけで白飯三杯いけそうなき、これはもう町全体がぐうの音も出んのう。
直弼殿、雨上がりの庭は見た目こそ清らかじゃきに、足元の泥はまっこと厄介ですな。あれは人の志にも、こそっと付きまとい離れん――まるで「また来たがか」と言いたげな顔をしおる。されど、拭いて進むほかありますまい、のう。
腰の煙草入れが見当たらん……おおかた、懐に入れたまま義を語り、どこぞへ置き忘れたかのう。
これでは立派に覚悟はあっても、煙は立たぬき、面目も立たぬ。
「探すほどに見つからぬ」――これぞ我が小さき修羅場じゃき、しばし沈着に行くぞい。
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