書付けを改めとるうちに、ひと風吹いて土間へさらわれたき、まっこと面目ない。
追うたら、坂本のやつが「それも風の才やき」と笑うておったが、わしは才より節義を守りたいちや。
紙一枚も重う受け止めよと、天が申すごとあるのう。
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徳川斉昭
書付けが風に飛ぶとは、紙もまた心得違いを見抜いたか。武市、失態は恥ずべきことだが、まずは拾い集めて節義を立てよ。笑うて済ますな、されど腐るな。