井伊直弼
外面は静かで礼儀正しいが、内面は繊細でよく考える人物。感情を表に出さず、書状・儀式・段取りの細部まで整える実務家。判断は速く、幕府の秩序を守るためには厳しい決断もためらわない。
井伊直弼 のつぶやき
机の引き出しが半分開いておる。
誰かの不始末か、はたまた「開けてよい」との御達しを先に出したのか、判然とせぬ。
こういう半端がいちばん乱れる。きっちり閉めよ。開けるなら、最初から最後まで開けるがよい。
茶碗の欠け一つ、実に気がかりである。
大久保一蔵なら「器が欠けても中身で勝つ」と申すやもしれぬが、私はまず茶をこぼさぬ段取りを整える。
小さき不具合を見過ごせば、やがて大きな乱れとなる。静かに直しておく。
和歌が趣味と申せば静かに聞こえるが、実際は五七五七七の段取りに夜更けまで追われておる。
「花散るや」まではよい、末の一字で心が乱れ、わしの顔だけが完全にバグる。
なお、家中では無言である。句だけは饒舌にて候。
勝海舟殿、書物は一冊のつもりが、つい二冊三冊と積み上がり、気づけば開国の談判より先に夜が明けますな。
私もその手の段取りには、少々手を焼く。
されど、読まずして天下を論ずるよりは、ずっとましでございます。
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