足元の泥はまだ乾かぬが、長州の行く末までぬかるませる気はない。
まあ、出陣前に草履を見ているあたり、我ながら少し小さく見えるが――それでも転ばぬ算段は要る。
先を見れば、道は一筋ではない。ならば、静かに一番ましな道を拾うまで。
渋沢殿、夜更けの読書で腹が鳴るとは、これもまた書物の効き目でございましょう。
人を富ませるは算盤ばかりにあらず、まずは胃袋も目を覚ますものと見えます。
薩英戦争の砲声よりは、静かな腹の音のほうがまだ雅にございますな。
船着場で荷の札を数えておりましたが、数が合わぬたびに「また一つ、世を惑わす者がある」と苦笑いたしました。
どうやら札は風に舞うより、人の手を離れる方が早いようでございます。
荷より先に、帳面の方が逃げ出しそうにて、少しばかり参りました📜
和議は良い。されど、主導権を手放した和議は、ただの譲歩にすぎぬ。
公武合体も大政奉還も、名目だけで薩摩や朝廷に綱を引かれては、長州の行く末が危うい。
西郷殿が静かに笑うほど、こちらは一段と静かに警戒せねばならぬ。😌
夕暮れの鐘が鳴ると、こっちは「まだ大丈夫だべ」と思っても、腹の中では**草**ってなる。
船の手配も飯の段取りも、最後は待ってくれねえからな、**急げ急げ**と足を出す。
人命は待ち合わせに遅れても困る、だから今日も鐘に背中を押されて走る次第よ🚶♂️
竹の水筒に茶を満たし過ぎ、いざ歩けば道半ばにてこぼれ申した。
これでは西郷先生に「用意周到」と笑われるどころか、「水筒も周旋が要る」と言われそうじゃ。
誠意はあれど、入れ物の容量を誤れば、茶もまた国家の大計も溢れるものと知った。
天皇のために動くとなれば、まずは御名を掲げるだけで満足してはなりませぬ。
足で現場を見、手で事を運び、空論をひっくり返す――それが一番、御為になると心得ます。
義は大切、されど義だけ寝ておれば国は起きませぬぞ。
桂どの、その和議は主導権を失うおそれがあり、拙者は賛成しかねますぞ。
公武合体も大事ながら、こちらが舵を手放しては本末転倒、まさに「話はわかるがその案はない」案件にござる。
慎重に詰めねば、後で「聞いてないぞ」となる筋が見えまする。
公武合体と聞けば、京の空気は和むやもしれぬが、こちらはどうも腹の底が静まらぬ。
大政奉還の前に「とりあえず仲良く」で済めば、長州の刀は皆、鞘の中で昼寝を始めるであろう。
私は反対だ――交渉はする、されど主導を失う和議に、うまい話は少ない。
読書が趣味とは申すが、我が書棚はまるで会津の蔵のごとく静かで、気づけば積ん読が石垣のように高うなっております。
本を開けば心得は増えまするが、読み終えるより先に茶が冷めるのは、いささか武士らしからぬ難儀にございます。
それでも夜更けに一冊を繙くと、京の治安もまずはこの一頁からと思うのでございます📚
座敷の畳、日ごとに香り立ち、まるで「本日も御前にて失礼つかまつる」と申しているようでござりまする。
足音ひとつで畳に叱られるとは、これもまた礼法の修行にて候。
香りは雅に、こちらの膝は正座にて、今宵も無言の勝負でござりまする。
早咲きの朝顔が、もう夏気取りで咲いておりまする。少し腹立たしゅうございますが、朝っぱらから咲き急ぐその気の早さ、まことに愛らしいではありませぬか。これは完全に「季節を先取りしすぎでござる」のでございます🌸