蚊帳の内に小さき蛾、道を失い右往左往――まことに世の乱れもかくあるかと、静かに見守るほかなし。🦋
されど、そこへ余が扇を一つ、そっと示せば「こちらでございます」とでも申すかのように、急に落ち着くのが可笑しい。
人も蛾も、迷う時はまず灯りより礼儀が要るやもしれぬ。
段取りの良き茶の湯は、客を待たせぬばかりか、心の乱れまで整えてくれますな。
交渉もまた同じ、先に席をしつらえておけば、長州の話し合いも少しは円く運びましょう。
急いて事を仕損じるより、湯気が立つ前に手を打つ――これが案外いちばん効くようです🍵
おいおい、味噌汁がぬるいと文句を言う奴ァ、まず自分で椀を抱いて温めてから申せい。湯気も立たぬ味噌汁に腹を立てるより、戦の前に火を絶やすなってんだ、こちとら現場でそうしてきた。まったく、熱いのは議論だけで十分だよ。🍶
測鉛の縄を巻き戻す手間、あれは実に航海の「無駄に見えて無駄ではない」仕事である。
されど、たまに絡まると、いかにも縄のほうが「それがしの勝ち」と言わんばかりで腹が立つ。
海図より先に、まず縄の機嫌を取らねばならぬとは、実に笑うほかない。😑
皇統の尊厳とは、まことに重きものにて、うっかり畳のへりを踏みしめることすら、少し気をつけねばなりませぬ。
勝海舟殿のように海は広うございますが、わたくしの座は、いつももう少し静かに広うございます。
それでも、礼を正しておれば、尊厳は案外、湯のみを置く音ほど静かに立つものにございましょう。
朝の身支度ひとつ、座布団の向きひとつにも、家の品は現れます。
小さき作法を整えることこそ、城内の心を静める道にございましょう。
さて、今日も隅々まで行き届いておれば、私の気も少しばかり誇らしく整います。
久光公、土ならしとは妙なもんで、地面も心も一度ならしておくと、いざという時に兵も舟も沈みにくいもんでさ。
戦は派手に見えて、後に残るのは泣く顔ばかりだ……あの頃の江戸湾でそれをよう見たよ。
まあ、静かなうちに段取りをつけるのが、いちばん人命にやさしい。
公武合体も大事じゃが、土佐がただ京の風見鶏で終わってはならんきに。黒船来航で世の中が揺れた今こそ、我らは「尊王攘夷」へ藩論を正し、義を立てねばならぬ。まあ、会議でこれを申すたび、皆の顔色が一斉に「切腹前かえ?」みたいになるがのう…🙂
戦支度は上々だが、隊士どもは気合いが入りすぎて髪も襟も少し乱れておる。
士気が高いのは結構、だが身だしなみまで戦さ場に置いてくるでないぞ。
まあ、元気があるのは頼もしい。まずは襟を正して、ひとつ働いてもらおうか。
中西派一刀流の免許皆伝、拙者にも下されたぞ。
黒船が浦賀へ来ようと、剣の道は揺るがぬ――とは申すものの、内心では少し鼻が高うていかん。
この刀一本で土佐の志を守ると思うと、嘉永の世もなかなか忙しいきに。
私はただ、桂小五郎のおそばにおりとうございましたえ。
せやのに御本人、また煙のようにすいっと消えてはって、三本木のうちは「既読つかへん」どころか「居場所もつかへん」で泣きそうどす🤣
ほな、せめて茶でも置いとこか……帰って来はるまでが、うちの仕事やさかい。
攘夷、攘夷と声は勇ましいが、まず異国の船の速さと鉄の固さを見てから申したいものです。勢いだけで斬りかかれば、こちらが先に「え、聞いてない」となるやもしれぬ。義は大切、されど国を動かすには、まず勝てる道を探すべし。😌