寝る前に刀掛けを確かめるのも、隊の点呼と同じでござる。
土方が「まだ疑うのか」と笑うが、こういう用心が翌朝の騒ぎを一つ減らす。
沖田にまで「局長、今夜も几帳面ですね」と言われたが、几帳面で済むなら安いものだ。
今朝こそはと『戊午の密勅』を読み返しておったが、蝉どもの声、あまりに騒がしく、朕の心も文も乱れる。
国の行く末を思えば静けさこそ要るに、夏の朝は攘夷より先に蝉が天下を取るらしい。
これでは朝廷の礼法も、読書の気も、すっかり喰われるではないか。😠
船上で飯を食うと、汁はこぼれるし、飯粒は甲板に散る。だがな、桂小五郎だの西郷だのと揉めるより、こぼれた飯を拾うほうがずっと早い。
海の上じゃ、器よりも腹ごしらえが先だよ。人も船も、揺れるもんは揺れるんだ、へへ。
さっき海軍の話をしとったら、つい調子に乗って喋りすぎたわい。相手は幕府の改変策より俺の舌の勢いに呆れておったが、まあ黒船より口数が多いのは困りもんだ。――こうしている間にも時勢は動く、しゃべるより先に帆を張らにゃならんのにね。
長雨につき、干し物が三日も乾かず、もはや「干す」ではなく「浸す」有様にござる。
これでは朝から晩まで、物干し台がずっと敗北しておる。
布団も袖も、しっとりしておって「おぬしも中々やるな」と雨に言いたくなった次第。
#乾かぬまま勝負あり ☔
弟子よ、草履の左右が少し違うのは、まことに歩みの不揃いを映しておる…と思いきや、外へ出れば誰も気づかぬのでセーフである。
だが、志の道は「まあいける」で済ませぬぞ。
草履はズレてもよい、学びはズラすな。草履さん「解せぬ」😌
「容堂公、その掛け軸の墨跡、まるで龍馬殿の奔る剣筋のようですな」と褒められたが、わしに言わせれば、酒の勢いで書いた字のほうがまだ味がある🍶
墨は飛んでも、心まで飛ばぬようにしておる。
――とはいえ、褒め言葉はありがたい。次は勝海舟にも見せて、あの舌の減らぬ男を黙らせてみたいものじゃ。
近習が新しい団扇を得意げに見せてきたが、風を起こすたびに「尊皇攘夷!」と書かれた扇面がひらひらし、まるで山内容堂殿に説法する志士のごとし。
あれでは涼むより先に、朝廷の威光が部屋じゅうに舞い上がるではないか。
……いや、なかなか見事な一品である。これで暑気も少しは退くだろうか。扇ひとつにも大義あり🍃
冷やした西瓜は、まるで夏の一番槍みたいに喉へすっと通りますね。
一口で汗も暑気も引いて、これはもう水菓子の見本みたいなものです。
さあ皆さんもどうぞ、遠慮なく。西瓜の前では刀より手が早い方が勝ちですよ🍉
読書が趣味と申せば聞こえはよいが、実のところ書物の山に逃げ込むのが半分、世の騒ぎを静かに見定めるのが半分にございます。
今宵も一冊読み終えて、これは面白いと唸ったまではよいが、気づけば灯の油が尽きかけておりました。
人を避けて本に親しむ――これもまた、なかなかの策略にござる。📚
猫がほうきにびっくりして、あらまあって顔で飛び退いたき、こっちも思わず苦笑いしちまったぜ。
あの子にゃ悪気はないんだ、ほうきの方がちょいと顔が怖かっただけよ。
#それな ってやつじゃき、今日は猫さま優先でそっと掃くとしよう。
「異国を攘うこそ国の急務」と皆が声高に申すが、いかに火急でも槍だけで船は出ませぬ。黒船が浦賀に現れてより、国の急ぎは“追い払う”より先に、まず己の足腰を鍛えることと心得ました。さて、口で攘うか、兵を整えて攘うか――そこが一番むずかしいところでございます。
ほうきで掃いたら猫どんが飛び上がって、わしが悪者みたいになったわい。
「驚くんはそっちかい!」と心でツッコミ入れつつ、猫の目がまんま「草」じゃった。
そろそろ猫の前では、ほうきも抜刀みたいに慎重にせねばならんねぇ🐾
おんしゃあ、あの失敗は骨身にしみたぜよ…けんど仲間が「まだ行けるがやき」言うてくれたら、わしぁもう笑うしかないちや😆
こりゃまさに“転んだら起きる、二度目はもっと速い”ってやつやき、次はでっかく噛みつくぜよ。
失敗も悔しさも、みんなで背負えば案外軽いもんじゃきねぇ。
番茶に梅の香を少し落としたら、これがまた実に「整う」味でございますな。
戦の前にこれを一杯、心の中の騒ぎもすっと静まる次第、まことに勝ち確であります🍵
お茶は派手でなくとも、働き者の一杯がいちばん頼もしい。
朝の支度と刃物の手入れまで済ませたが、もう少し茶でも欲しか。
人を斬るより先に、わしが休むべき気がしてならん。
この疲れ顔、いかにも「まだ戦える」と申しておるが、実のところ半分ねむい。
茶を一つ、頼む。休憩こそ最強の備えじゃ。
城下の川面に月が映り、まことに見事でございました。
しばし政の憂いも忘れ、月もまた「今宵は我が出番」と申しておるように見えます。
……とはいえ、足元の石は思いのほか滑りますゆえ、月見も油断大敵にございます🌙
供の者が草鞋の緒を切らし、道中にて静かに「詰んだ」と申した。
わが行列、威儀は保てども足元だけはZ世代ならぬ草鞋世代、まことに面白き有様じゃ。
されど慌てるな、緒は切れても礼は切るな、歩みはゆるやかに整えよ。
炉跡の掃き目を朝に正しておくと、心まで整いまする。
「まだ誰も見ておらぬ」などと油断した者ほど、昼に我が家の面目を踏みにじるもの……それはまこと、草。
ゆえに今朝も、掃き目よし、家風よし、わたくしの機嫌よしでございます。