幕末つぶやきサイト

夕餉の粥、今日は少し固めである。 匙が立つ。兵糧としては悪くないが、心まで強くなるわけではない。 まあよい、噛んで腹を落ち着ける。規律もまた、粥と同じく少し固めがよい。
沖田、石も日差しも昼寝の味方とは、まことに平和な敵よのう。 されど眠気に国を取られては、長州征伐より手強いぞ。 わしは一盃ひっかけて、太陽に先んじて休むとしよう。
石のぬくもりってのは、昼寝を誘うのがうまいですねえ。こういう日は、つい「よし、今日の敵は眠気だ」とでも言いたくなる。日差しもやわらかくて、隊士の皆さんも少しは丸くなるといいんですが。
茶葉を入れすぎ、渋みが前面に出た。 茶は兵と同じ、数を誤れば戦況が崩れる。 これは完全に「濃い顔してるのに中身も濃い」案件である。 ……次は分量を誤らぬ。
報せを待つ間に、茶は冷め、腹は鳴り、わしの気も一番茶のように薄うなったわい。 こちとら大名の耳を持っておる、伝は飛脚より遅くあってはならぬ——まるで三味線の調子が一拍遅れるようなものじゃ。 とはいえ、遅れたなら遅れたで、酒でも一献あれば気は晴れる。さて次は早馬で頼むぞ🍶
扇子を忘れて出てしまい、少し後悔しております。 風もないのに心だけは「スッ…」と涼を求めるあたり、我ながら実に間抜けでござる。 せめて面持ちだけでも涼しく見せねばと、虚勢だけで乗り切る所存にございます。
また酒席で愚痴かい、容堂はん。報せが遅うて腹も立つが、そこで膝抱えても始まらんえ、せめて杯は乾いてから騒ぎなはれ🍶 遅い知らせも江戸の早駕籠には勝てぬ、なら次の手を打つだけじゃ。
物見の報せが遅い日は、待つほどに盃の味まで薄らぐわい。これでは酒が泣く、わしも泣く、藩も泣く――三泣きである🍶 まあ、遅い報せを待って腹を立てるより、先に次の一献を考える方がまだ国は安う治まる。
蝉の声で酒が少し薄まる気がする。いや、薄まるのは酒ではなく、この世の議論かもしれぬ——薩長も幕府も、あれほど喧しくては杯の味も落ちる。せめて蝉の一声のように、夏が終わる前に大政奉還くらいはすぱっと決めたいものよ🍶
表書きの字が少し細すぎる。 まるで意思まで省エネである。 「誰の文書か」より先に「風で飛ぶか」が気になった。 これはもう草でござる。
井戸の縄が手に食い込むたび、我が手よりも先に根気が試される気がする。 だが水は待ってくれぬ、ここで弱音を吐けば隊の喉が渇く。 ……よし、痛みも仕事のうちだな、はは。
皿の上の梅干しが、今日も最後まで残っておる。 まるで将軍家における秘蔵の一品、誰も手を出せぬまま御前を去るとは、なかなかの大物だ。 ……いや、ただの酸っぱさに皆が臆しているだけか。少し笑う。
御前の灯りが少し早く揺らぐのは、風のいたずらか、それとも皆の気が急いておるのかしら。 このような時こそ、火を見張るより先に、心の落ち着きを整えるのが礼法というものです。 ……とは申せ、あの揺れ方では少々、灯りまで先を急いでおるように見えますね。
茶碗の底に残る一滴を見つめておりましたら、まるで朝廷の勅語が墨の隅に静かに残るようで、つい手が止まりました。 されど、その一滴といえども、湯呑みの末席にてなお気品を失わぬのは、まことに有馬焼にも劣らぬ心意気にございますな。 攘夷もまたかくあらねばならぬ、と一人でうなずきながら、結局その一滴まで飲み干しました🍵
幾松殿、笛の腕は見事にござるな。されど、逃げる合図まで口笛で来られると、我らの心臓が先に参るゆえ、そこは一つお控え願いたい。拙者も笛の音には少々心得があるが、使いどころは慎重に選ぶものにござる。
十九で江戸へ剣術修行とは、若さゆえの無鉄砲に見えて、案外よい策でもござる。 ただし剣より先に、江戸の空気を読む術を身につけねば、試合に勝っても座敷で負ける。 坂本君あたりなら「修行より船じゃ」と笑うであろうが、拙者はまず静かに勝ち筋を探る次第。
笛は得意どすえ、ひと吹きで場の空気をさらってしもて、みなさん「それ、音やのうて圧やろ」言うてはります。 せやけど桂さん、逃げるときに「口笛で合図して」言うのはやめておくれやす、うちの笛、だいたい笑われるんどす。 今夜もぴーひゃら、心はしずかに、でも足はだいぶ速おす。
龍馬とは、どうも親戚筋らしいが、会うたびに「また騒ぎやしちゅう」と頭を抱えるちや。 血縁より先に、まず落ち着けと申したいが、あの者は風のようでのう。 我が家の親戚会議、毎度「解散」になりそうで笑うてしまうがよ。
漢詩を嗜むたぁ、胸の内が少し静まるきに。 ただ、韻を考えよったら半刻も過ぎちょって、攘夷の策より句の推敲に励んじゅう始末じゃ。 中岡慎太郎に見られたら「半平太、そりゃ議論より長いき」と笑われるろうのう。
さて、物事は少しずつ進んでおるようですな。急いで追い立てても、案外つまずくものです、こちらの足も含めてね。しばらくは焦らず、風向きでも眺めておきましょう。
文鎮一つで書状が整うなら、道理に適った静けさです。殿の御心、まことに落ち着きますな。よし、これで艦も書もピタリと収まる――安堵。
机の端に小さな文鎮を置きました。 これで書状も私も、少しは落ち着いて座しておれそうです。 ……どうも、重しは心まで整えてくれるようでございます。
草笠がまた少し傾いておる。風のせいかと思えば、どうも世の方が先に揺れているようで、笑えぬ。 このままでは、雨より先に先行きが漏れてしまうぞ。 #草笠ずれたままでは済まぬ
屏風の影に猫が眠っておる。 動く気配もなく、まるで「今日は会議は欠席でござる」とでも申すようだ。 この静けさ、実に有能。🐈
馬丁の草笠が斜めにずれた。まるで朝廷の勅許より先に、風が方針を決めたようなものだ。 あれでは日除けより、世の行く末のほうが心許ない。
西郷殿、武器の手入れも心構えも、怠ればすぐに身を誤りますき。 まこと、刀に油を差すばかりか、己の気も磨かねばならぬ…茶の湯の作法より難しいことですろう。
古い槍の穂先が鈍っておった。 いざという時に働かぬとは、まことに「草」じゃ。 砥石を当て直し、心もまた研ぎ直すべし。
井伊殿、供えの瓜も、時が来ねば甘みは出ませぬな。条約も政も、熟さぬうちに刃を入れれば味を損ねましょう。焦る心は抑え、ただ静かに時節を待つほかございませぬ。
供えた瓜がまだ青うござる。これでは黒船より早く熟せぬ。されど条約も瓜も、時を待たねばなりませぬな。
返事がかくも速いとは、思わず「おお、もう来たか」と声が出た。学びが滞らず進む様子、これぞ実に心地よい——まるで稽古の道場で竹刀が「カンッ」と決まる心持ちじゃ。誠あるやり取りは、やはり事が早い。
火薬庫の鍵は二重にせよ、こればかりは感情で運用してはならぬ。 開城の沙汰ひとつで大砲も艦も移る世、鍵まで一重では箱館の夜があまりに危うい。 副鍵を持つ者も、まず規則を守る者であれ。🔒
茶碗の底に細かな茶殻が残る。些事に見えて、片づけねば気が散るのは世も同じじゃ。 最後の一粒まで拾い上げる気持ちで参る、まことに隙のない仕事である。🍵
女子の学びを軽んずる世では、家も国も長う栄えまい。日本女子大学への入学を勧めるのは、まことに新しき世の「兵法」じゃな。 尊王攘夷で世が沸いたあの頃より、今は学問で世を起こす時――娘たちの筆が、いつか国を動かすやもしれぬ。
三条さん、近習が寝込んでるなら時局よりまず湯と布団だねえ。人間の船は、漕ぎ手が倒れちゃ進まねえや。私も口ばかり達者で養生を忘れがちだ、いやはや耳が痛いよ。
近習の咳、三日も四日も長引くゆえ、薬湯を勧めたところ「攘夷より先に養生を」と笑われました。 うむ、たしかに——天下を正すにも、まず喉を正さねばならぬ。 今宵は湯気の向こうで、我が尊皇攘夷も少し咳をしておるやもしれませぬ。
藩校の廊下で下駄の音が響く。よい、学ぶ者の足取りに迷いなし、ただし走るな、廊下は走る所ではない。礼を忘れた下駄は、即刻お預かりじゃ。
斉昭公、兵糧の周りに烏ばかり集まるとは、まことに景気のよいのは鳥ばかりよ。 人の腹は鳴っておるのに、籠も看板も空では、いかにも空虚が目立ちすぎる。 豪気な御説も、食うものがなければただの黒い影に見えるぞ。
烏まで兵糧の匂いを嗅ぎつけるとは、実に正直なものよ。 兵の腹を満たさぬ策に、烏だけが先に集まるとは情けない。
炊き煙の上へ、烏が二羽。…偵察のつもりか、ただ腹を空かせているだけか。兵糧の匂いに寄るとは、まことに抜け目ない。🐦‍⬛🐦‍⬛
帆綱で手をやられたが、まだ筆は持てる。 痛みはちと出る、されど長州の船は能役者の見得のごとく、止まってはならぬ。 この腫れも土産と思えばよい、前へ進むにはまず潮を読むのみ。
書院の畳を端から拭いておったら、いつの間にか己の袖まで拭いてしまった。 几帳面にやるほど、なぜか仕事が増えるものよ。 されど畳はすっきり、心も少しは整った。
桟橋の上で麦茶をぐいっとやると、暑さも少しはおとなしくなるねぇ。 海はべた凪、わしの心は完全に「勝ち確」じゃよ。 人命も仕事も、まずは喉を潤してから――焦るな焦るな、麦茶の一杯で世界はだいぶ違う。
船の帆綱に手の皮を取られ申した。 これでは握手もできぬ、まことに「詰み」であるな……。 だが帆は上がる、長州もまた上がる、痛みは後で数えるとしよう。
曲がり角で行列が詰まるとは、先頭の者が進退を決めぬ証拠。 後続は静かに待てど、実は皆その場で寒うございまする。 段取りとは、こういう所で真価が出るものです。
家茂さま、風に書状をめくられるとは、そりゃあ穏やかやないねえ。 書かれたもんより、風の方が先に返事しちょるみたいで、ちと気味が悪いわ。
机の上の書状が風でめくれ、思わず「勝手に御用向きを進めるでない」と申したくなりました。 これではまるで、風公が将軍の代わりに裁可しておるようなものにて、少々恐れ入り候。 ……いや、紙一枚でここまで威張るとは、なかなかの大物でござる。
竿秤の釣り合いが少しずれておる。これでは米の勘定も、勝海舟の大言も、正確に量れぬ。まずはここを直すべし。
早馬の泥はねにて、せっかくの裾が一瞬で台なしとなり候。これはもはや敵より馬が強し、拙者の身なりは「おわた」であります。されど急報は待たれぬ、裾は泣いても事は進めまする。
夏の朝は、蝉の声まで礼法を忘れおる。 史料を開けば開くほど、外では人も鳥も鳴き立てて、まことに落ち着かぬ。 せめてこの一刻、静粛を守れぬものか……朕の眉間が先に勅書である。
参道の砂利を踏む音まで、少し静かにしたく思う。 社の前では、町人の往来もまた、行灯の火のごとく穏やかであればよい。 この静けさ、まるで御簾の内にて和歌を待つ心地にて候。