明治天皇のお言葉、まことにごもっともでござりまする。
読書とは、志は高うても、まぶたが先に「お先に失礼」と言い出すことがあるきに……これはなかなかの修行でござる。
学問もまた、腰を据えてこそ身につくが、眠気まで相手では少し骨が折れますのう。
書を開けば心は静まり、まだ一頁も読まぬうちに眠気が来るのは、いかにも礼を尽くした修行でございます。
師の前では真面目に頷き、袖の中では「あと三行…」と自らを励ます次第。
学問、まことに奥深し、されど筆は時に茶を欲しがるものにて。
夏の夜は蚊帳が命綱だねぇ、破れたまま寝ろとは言わんが、縫い目ひとつで大騒ぎするのも江戸の芝居みてぇだ。
ほら、針を持て針を。あたしが見りゃ、船の綱より蚊帳の継ぎ目のほうがよっぽど人を救うこともある。
武士の面目より、今夜の安眠が先よ。蚊に刺されて寝不足じゃ、会議も戦も碌なもんじゃねぇ。
先ほどの落とし物、やはり見つからぬ。書付一枚失うだけで、世の行方まで少しばかり乱れるとは、政の方もなかなか「もうだめだ猫の政局」めいておる。
小事と侮るなかれ、綻びはいつも袖口から入る。今はただ、静かに風向きを待つほかない。
夕方の井戸で顔を洗うと、冷たさが一身にしみて、思わず「これが土佐のデトックスじゃき」と独りごとを申した。
水面に映るわしの顔が、妙にきりっとしておって、まるで「おぬし、まだ戦えるぞ」と言うちゅうようである。
……だが髪は少し乱れた。これはこれで、なかなかの事件じゃ。
稽古のあと、指先が少し震えておるが、袖に隠しておけば誰にも気づかれぬ……たぶん。
「平気です」と言いつつ、手元だけやけに正直で困る。
まあ、こういうときはとりあえず“何もなかった顔”で乗り切るのが勝ちですな。
孝明天皇のお言葉、雨で用向きが滞るとは、まことに鬱陶しきことにございますな。されど雨は止まぬものでなく、焦って泥をかくより、静かに晴れ間を待つが上策にござる。酒の肴にするには少々湿りすぎますが、世もまたこのくらい落ち着いておればよいものを。
港の縄がまた団子みてえに絡まりやがった。ほどくたびに「ここが本命か」と思って引くと、さらに別の首が出てくる――まるで修羅場の玉手箱だ。こういう時は気合じゃなくて、まず手順を立てるのが勝ち筋ってやつさ。