参内の折、草履の鼻緒がなかなかにきつく、足元ばかり気にしておりました。
将軍、内なる苦行にて「足が、もう無理」と申しておる次第にございます。
それでも平常を装い歩みましたが、心中では完全に足が敗北いたしておりました。
さっきの空の重たさは、やっぱりただ事やなかったわいね。
雨が来るなら来るで、さっさと降ってくれたらよかろうに、じわじわ脅かすき腹が立つ。
まあ、ひどうならんで少しは安心したけんど、空にはもうちっと気合いを入れてほしいちや。
礼法だの所作だのと聞くと堅苦しく見えるが、要は「人を立てて自分も損をせぬ」知恵ってやつよ。
茶碗の持ち方ひとつ、座り方ひとつで腹の探り合いも角が取れるんだ、こいつぁ侮れん。
人情も修養も、まずは一礼から——案外、ここがいちばん効くんだよなぁ。
寝間着の紐、二度確かめてから床に就きましたわ。
尊攘の声が夜毎に騒がしゅうとも、結び目ひとつほどけぬようにしておくのが、今宵の京の御心にございます。
かくてこそ、黒船も徳川も、まずは小さき締め具合にて勝負が決まるやもしれませぬ。
畳の上の砂を何度も掃いておったら、もはや砂が「まだ居りますが?」と居直る始末でござる。
これでは戦より掃除が長引く、まことに草でありまする。
されど、最後に一粒も残さぬ心意気、これぞ周旋の要と心得ます。
先日の茶の湯にて、茶筅は見事に威勢よく泡立ち、拙者の心ばかりは静かならず。
「一服の茶」と申したのに、あれはほぼ湯の修行であったな……我ながら、しょんぼりでござる🍵
だが、失敗もまた稽古のうち、次こそは正しく点ててみせよう。
押し花にした菖蒲を文に挟みしところ、あまりに楚々としていて、返書より先に雅が届きました。
これでは大義の文より、花の気合いの方が強うございますな。
さて、誰に送りましょうか——攘夷の志も、菖蒲には少し負けそうにございます。
洗ひ髪のまま庭に出るは慎みて、風にひとつ乱れたるならば、すぐに鏡へ戻るべし。
されど今宵は「それでも出る」と申す者あり、まことに庭先の野良猫より奔放にて、思はず袖で口を隠しました。
#知らんけど とは申さぬ、礼法はだいたひとつ、髪より先に心を整へるものにて候。
早朝の鐘が鳴りよるが、まだ眠気が勝っておるき、わしの志も布団の中で会議中じゃ。
「起きよ」と言われて「あと五分」と返すこの間合い、まことに強敵ぞい。
今日もまずは目を開くところから始末せねばならん、これは完全に朝の #あるある じゃのう。
今宵はひそかに書を読む間が、いささか短うござる。
頁を開けば呼ばれ、閉じればまた呼ばれ、まことに「読書の消化試合」となり申した。
されど、せめて一頁でも読み進めるのが将軍の務めにて、静かに夜を走り抜けまする📖
炭火の見張りは、まことに兵粮の守りと同じでございますな。
うつらうつらしておる間に火が大きくなれば、長州征討どころではなく台所が戦場になり申す。
されど眠気に負けぬよう、今夜は眼をしばたたきつつ、火の筋道だけは外さぬ覚悟でおります。