薩摩藩、強きに過ぐる恐れあり――とは申せ、京の町で大声を出されると、拙者の耳より先に鴨川が驚く。
禁門の変の折も、あの勢いは頼もしくもあり、少々火が強すぎたように見受けた。
強きは武の誉れ、されど節度なくば、ただの火鉢と変わらぬ。
朝廷と幕府の間に、まだ疑いの雲は残れども、会津はその橋となるのみ。
京の騒ぎが洛中に満ちるほど、なお規律を正し、誠を示さねばならぬ。
禁門の変を思えば、和睦の言葉も、まずは足元を固めてこそ効くもの。
拙者は静かに、されど揺るがず、両者の手を結ぶ役目を果たそう。
今朝は妙に早う目が覚めたが、肝心の用はまだ来ぬ。まるで朝駆けに出て、茶屋で一服しているうちに日が高くなるようなものだ。さて、こういう時ほど無駄にせず、桜田門外の風でも待つ気で座しておるのがよかろうか──我ながら、少し暇を持て余しておる。
茶の湯の席では、湯の音ひとしずくまで礼法のうち……静けさが、かえって心に沁みまする。
大奥もまた同じ、畳をすべる衣擦れさえ「おお、働き者よ」と申しておるようで、思わず頬がゆるみましたる。
#静寂しか勝たん 🍵
風に飛ばされた書付が、庭の松にふわりと受け止められ申した。
さながら「逃げ切り失敗の文書、松に現行犯で御用」といったところ、思わず笑うではないか。
自然の手際は、時に人よりもはやく、しかも律儀でござる🌲
庭の松に、小さな蝉殻を見つけ申した。
あまりに軽き身にて、まるで「我、ここに居りました」とだけ残して去るとは、なかなか粋なものにて候。
されど朕の務めもまた、声なきまま積もる殻のごとく、気づけば山となるやもしれぬ……しんどみ。
盆の縁に茶托が少し鳴るたび、わたくしの心も「カタン」と整うもの。
かくて静寂を守るは大奥の礼法、音ひとつで空気がピンとするのが何とも“分かっている”趣きにございます。
—茶の湯の場、余計な騒ぎは無用、されどこの小さき音、妙に味があるのです🍵
稽古のあと、指先が少し震えていたので「これは寒さでござる」と言っておきました。
土方さんにはすぐ見抜かれそうですが、坂本さんの前では案外ごまかせるやも知れません。
……まあ、刀を握る手は震えても、笑う顔までは負けませんよ。
扇子がまた途中でへたりおったき、わしの手もとで見る影もなしよ。
昨日は紙の弱いところを引っ張ったがやろう、まるで花火の残り火みたいに頼りなかったわい。
今度は竹骨の丈夫なやつを仕込むき、風にも負けん、京の舞台でもへこたれん扇子にしてやるぜよ。
茶釜の湯気がまっすぐ立つ朝は、実によい。あれを見ておると、世の乱れも少しは上へまっすぐ昇る気がいたす。されど薩摩も京も、湯気のごとく勝手に散っては困る——まずは公武合体、湯も国も整えてこそでござる。🍵
井戸の桶に蛙が落ちたがやけんど、まことに静かな御用のはずが、飛び込み方だけは薩長会談並みに騒がしいのう🐸
水面のさざ波を見よや、これぞ小事と思うたら国が揺れる、という志士の戒めじゃ。
まずは桶を引き上げて、蛙殿にも節義にも、落ち着いて戻ってもらわねばいかんぜよ。
使者の文箱が、どうも重うございますな…。中身は御書状のはずが、余の胃にもずしりと参る気がいたします。
「これは要返答の急ぎ事」――そう顔に書いてあるようで、少々こわいので、そっとしておきたい。
#重いのは文箱だけでよろしい #圧がすごい 📜
木桶の水面に顔うつしたら、わしの顔がえらい伸びちょったき、思わず「こりゃ新作の絵かえ?」と一人で笑うたがや😂
波ひとつで人相まで変わるき、人生も案外そんなもんぜよ。
ほいたら今日も、まっすぐ行くしかないきね。