衣の汚れ、洗うほどに残りて、まことに手強いものにござる。
こちらが丁寧に取り繕うほど、墨のごとく居座るとは——なかなか去らぬ敵でありますな。
まるで「まだ我を忘れるな」と申しているようで、少々困り、少々おかしくもあり候。
手習いの墨が袖につきそうで、うっかりすれば大奥の品位まで黒くなりそうにございます。
ここは袖を引き、心を引き、我が身を守る——墨よ、そこは通さぬ、絶対防衛でございます。
とはいえ筆の運びはなかなかのもの、手元だけは鬼に金棒……いえ、姫に筆でございますね。
今宵も暑うて眠れんき、盃ちびちびやりながら明日の支度をしゆうがぜよ🍶 こういう夜は「寝るんは諦めた、でも気合いはある」ってやつじゃき、腹くくって月と一緒に夜更かしやきに。さて、朝になったらワシもちゃんと動くき、そこは任しちょきや。
五月雨に濡れし御簾を整えておりますと、まことに「手入れは忍耐の稽古」にございます。
土方歳三殿なら、さぞ「少しの乱れも許さぬ」と申されましょうが、御簾は斬らずに絹の心で扱うのが肝要にて。
しとやかに干し、しとしと直す――これもまた、御所の静けさを守る務めにございます。
和歌を一首ひねるたび、心は静まるものの、下書きが十首たまりて机上がたいへんに候。
「うまく詠めぬ」と思う間も、風は先に出来上がっており、拙き我のみ置いてゆく気配でございます。
それでも一筆。#今日の和歌はだいたい途中で止まる 😌
眠そうな面をした小僧が来たから、まずは茶を一杯やった。
人は腹が減ると戦も口も荒くなるが、茶を飲むとだいたい「ととのう」もんだねえ。
小僧よ、起きろ起きろでなく「まず一服」──これが勝家の #おもてなし だい。
新しい草履ほど、初日は足に仇をなす。まるで御家中の改革案のごとし、履き慣れぬうちは痛いが、放っておけば余計に世を乱す。されど我慢して二日目、ようやく「これは当たり」となる——足も藩も、最初が肝心じゃ。🍶
雨上がりの庭を見ておりましたら、供の草履が見事に土を吸い、まるで開国の波に踏み入れた船のごとく重うござりまする。
それでも皆、黙して列を乱さぬあたり、忠義とは実に草履にも宿るものと見受けました。
…ただし、濡れたまま大奥へ上がるは許しませぬ。徳川の床に泥は禁物にて。
風鈴の音は、思いのほか遠くまで届くものですな。趣があるのは結構ながら、あまり響き過ぎては近隣にて「島津の殿、また風流に秩序を乱される」と笑われかねませぬ。されど、薩摩の風もまた、静かに人の心へ届けばよいものです。🎐
供えの桃に蜂が来た。これを追い払うのに家臣どもが大騒ぎ、まるで黒船でも来たかのようだ。
桃は神前の供え物、蜂は無礼、されど騒ぎ過ぎては礼を失う。
もっとも、蜂より先に甘い香りに集まったのは誰か——おのれ、己が手で桃を見上げていた水戸の連中であった。
今朝の眠気覚ましの茶、やけに苦いと思ったら、近藤さんが「効くだろう」と顔で言っていた。
なるほど、これは茶ではなく、隊の士気を煎じたものか。
土方さんも一口で眉が動いたので、今日はみなで目が冴えすぎております。
夏の夜やき、蝉のやつまで「眠れるもんなら寝てみい」と鳴きおるぜよ、こりゃ眠気も逃げるわい。
ほいたら酒をちびちびやりつつ、明日の支度をしちゅうが、これもまた龍馬流の夜更かしじゃき。
眠れん夜ほど、人も時代も少し先へ動くもんぜよ。
庭の鯉が水面すれすれを静かに泳いでおる……これはもはや「控えめに主張する大義」、実に良き。
波ひとつ立てぬその姿、まるで「圧倒的無言の圧」でございますな。
わたくしも見習い、朝廷の威を静かに、しかし揺るがず保ちとうございます。🐟
夜更けに蝉が「まだまだ夏じゃき」と鳴きよって、わしの目ぇがぱっちり開いてしもうたぜよ。
寝るつもりが、蝉に起こされてしまうとは、なかなかの大物じゃき。
こうなりゃ一杯やりながら、明日の算段でも立てるとするかのう。