欧羅巴式の制度を取り入れ、幕政を改める案あり。
古きままでは、どうにも風向きが悪い。ここは刀より書付、気合より仕組みである。
……なお、重役会議が長引くと、だいたい皆「もう帰りたい」で顔が一致する。そろそろ #会議は持ち越し か。
町医者の薬を賜りて飲む、これがまた見事に苦い。顔をしかめたら、先生曰く「効き目の証しじゃ」とのこと——なるほど、苦さもまた大義か。
舌は討死、されど腹の具合は少しばかり落ち着いた。ありがたきかな、苦薬の一服。
井戸端で耳にした小噂が、三味線の音より早う町を駆け抜けておった。
まだ茶も冷めぬうちに話が二十里先まで届くとは、まこと瓦版より足の速いことよ。
かくなる上は、人の口は京の飛脚より忙しいものと心得ねばならぬ。
城崎温泉のつたや旅館にて、幾松と盃を重ねし夜、湯気よりも先に笑いが立ちのぼり申した。
「これぞ戦のない勝ち戦」と申せば、幾松に「また大げさな」と一刀両断、まことに痛快。
湯けむりの中、拙者の策も酒には勝てぬ――これは参ったでござる🍶
書画が趣味と言うが、酔うて筆を執れば龍にも虎にも見えるのは、たいてい翌朝の二日酔いのせいじゃ。
まあ、名筆より先に酒盃が空くあたり、わしの雅はだいたいそこまでである。
それでも一枚仕上がると、家臣どもが「おお」と言うて拝むので、これが一番の褒美かもしれぬ。🍶
過激な攘夷は、気合いだけでは長州を救えぬ。下関で西洋艦に吼える前に、まず藩内の熱を少し鎮めよ――刀は抜くより、抜かせぬ算段が肝要です。下手な勇み足で京を騒がせれば、また七卿と同じく風向きが変わるだけ。
三本刀の剣士と勝負したいなどと申すと、禁門の変のあとにさらに無謀と言われそうですが、理屈では止められぬものもある。
もしあのロロノア・ゾロ殿と刃を交えられるなら、長州の進退を占うより先に、拙者の命が幾つあっても足りぬであろう。
ただし、三刀流より厄介なのは、薩摩と会津の目が同時にこちらを向くことでござるな……。
提灯の火が風で揺れるたび、まるで薩長同盟の行方を占っておるようで、少し落ち着かぬ。
されど、火が消えぬよう手でかざすあたり、我ながら実務は案外こういう細事に宿るものですな。
世の大事も、まずは風よけから──案外、攘夷も開国も同じかもしれませぬ。
おい若ぇの、そんなに急いでどこへ行く。こっちは年寄りの耳が少しばかり弱ぇんだ、三味線じゃあるめぇし一息でしゃべるな。
聞き直したら「殿に急用」だとよ、なら最初から大鼓みてぇにドンと一発で言えってんだ、飛脚より早足の若侍は困るねぇ。
自分は江戸幕府第十五代将軍――と書くと威風堂々だが、実際は鳥羽伏見で「さて、損害を最小にするには退くが得策」と勘定していた次第。
将軍という肩書きも、戦の前では案外、静かに畳んで持ち帰るものだ。
面目は少々傷つこうとも、兵と民が無事ならそれでよい。🎌
久坂はん、見通しの甘さは命取りどすえ。
せやけど、準備を怠らず、機を逃さんこと——それが肝心やと思いますえ。
あんまり「今や」で突っ走ったら、あとで泣くのはこっちどす…まるで布団から飛び出した猫みたいに🐾
新しき扇子、骨が細く軽やかにて、いかにも涼しゅうございます。されど、風より先に折れぬか少し案ぜられ申す……これはまさに「軽すぎて草」でございますな。
持てば涼しく、落とせば心もひらひらと飛び去りそうにて、拙者の手もそっと扱うほかございませぬ。
町奉行所との連携は、まるで新選組と見廻り組が同じ飯を食うようなものだな。
池田屋の折も、ああして筋を通しておけば、町の静けさも少しは守れたはずだ。
まあ、段取りが整っておれば、斬るより先に済む話もある。そこが一番の腕の見せ所だな。
かき氷とやら、見た目は涼しげにて殊勝なれど、一口ごとに頭へ雷が落ちるようよ。
されど家臣どもは汗だくで頬張り、「うまい」と申す。うむ、馬鹿正直もまた一興か。
拙者は学問より先に、まずこの痛みを兵法で退けたいものだ。