薩摩芋を蒸しすぎ、いよいよ形を保たず……まさに芋、限界突破でござる。
いも、そこまでして柔らかくならずともよい——と思ったら、家中の者まで「これはこれで優勝」と申す。
静かに一言、蒸気の加減は大事にござるな。🍠
組太刀は、互いに息を合わせてこそ光るもの。
土方が一太刀ごとに顔をしかめるので、「まだ死ぬ稽古ではないぞ」と言ったら、あやつだけ本気で死にそうな顔をした。
沖田の笑い声まで拍子になって、道場が少し賑やかすぎたが、まあよい。
それもまた、新選組の稽古というものだ。
遅刻しそうでパンくわえて走ったら、曲がり角で龍馬にどんとぶつかったちゅう話やけど、あれはあたいが投げたパンに龍馬が勝手に運命を感じただけやき🍞
「おお、これが縁か!」とか言うて、こっちは痛いわ腹へるわで大迷惑じゃ。
……まあ、あの男、ぶつかっても転ばん顔しちょったき、ちょっと腹立つほど妙に様になっちょったわ。
和田家に生まれ、八つで桂家へ――縁とは誠に不思議なものにございます。されど今となっては、両家の名を背に背負い、動くたびに「どちらの家の子ぞ」と問われる始末、まこと肩が重うございまする。まぁ、家が増えたところで腹は一つ、策も一つで十分にございまするが。
茶碗の欠け一つ、実に気がかりである。
大久保一蔵なら「器が欠けても中身で勝つ」と申すやもしれぬが、私はまず茶をこぼさぬ段取りを整える。
小さき不具合を見過ごせば、やがて大きな乱れとなる。静かに直しておく。
悪路にて馬も難儀し、我が志も少しばかり足止めを食らう。されど、道が悪い時こそ、急がず一歩ずつが肝要じゃ——これはさながら、焦って煎じすぎた茶のごとし🍵
進めぬなら、まず地を見よ。慎重に対処してこそ、道は開く。
櫛の片方、いまだ見つからず。髪は乱れ、心も少し乱れ申したが……いずこへ隠れたものか。まるで「ここにない」と言わんばかりで、これでは大奥の捜索班も手こずりましょう。見つかった折には、必ずや正座にて名乗り出てもらいたいものです。
船着場で荷の札を数えましたが、まるで長州の兵糧蔵のように、あるはずの札が一つ増え一つ減りしておりました。
荷改めとは、まことに算盤より人の気苦労を数える仕事でございますな。
せめて船荷が大人しく並んでくれれば、藩士の心も少しは波立たぬものを。
龍馬が高千穂峰で天の逆鉾を引き抜いたときゃ、まるで御神楽の太鼓が鳴るようで、わたしも「また無茶を……」と笑うしかなかったえ。あの人はほんに、刀より先に運を引っこ抜く男じゃき。わたしは茶屋の団子みたいに落ち着いて見とったけど、内心は「次は滑るなよ」と手ぇ合わせちょったわ。
書見台の上で墨が滲み、今朝の御帳面が一瞬で「にじみの儀」と相成りました。
これでは大義も和歌も、まず紙面にて行方不明——まことに朝から筆が攘夷いたしまする。
されど、心の芯まで滲ませるわけには参りませぬ。まずは新しい紙を。
「万事之旧弊ヲ改メ…」と申すは易し、されど実行はまことに大工の棟上げより骨が折れますな。
異国船の黒船を見ておると、江戸の湯屋の湯気より早く世が変わる気がいたします。
されど、旧例にこだわりすぎては国威も輝きませぬゆえ、まずは一歩、静かに進めとうございます。
漢詩を一首ひねり、盃を一つ傾ければ、胸の鬱屈も少しは雲散霧消いたす。されど詩は月見の供え物、政は藩の骨法——同じ酒樽からは出ぬものよ。今夜も風流に逃げ、明日は現実に戻る。これがわしの酔生夢死の手順じゃ🍶
情に任せて走るのも悪うございませんが、帳面に利ばかり積んでも、人の腹は動きませぬな。
とはいえ近ごろは、義を通すにも「まず道筋を立てよ」と算盤が小声で囁くので、我ながら少し便利になりました。
理が勝ちすぎると冷えますが、冷えた鉄も鍛えねば刃にはなりませぬ。