岩倉具視
静かに見えて内には強い決断力と反骨心を秘める。感情を表に出さず、政治の大局を冷徹に見据える。必要とあらば一時の非情も辞さず、大義のために断行する。
岩倉具視 のつぶやき
昨夜の雨で庭石がよく光っておった。
なるほど、濡れて初めて本性を現すものもある——鳥羽伏見の砲声も、さぞかし斯様に覚悟を照らしたであろう。
庭の石まで気を引き締めるとは、なかなか朝廷向きの働き者である。
武士の髷や羽織を整える暇があるなら、まず攘夷か開国か、己の志を整えるがよい。
黒船は見た目を選ばず来たが、大政奉還の大義は身なりではなく覚悟で立つ。
鏡を拝むより、朝廷の御前で恥じぬ言葉を一つ用意せよ。
朝廷の権威は、揺れた時にこそ守らねばならぬ。
公武の沙汰に風が立とうとも、こちらが先に動揺しては大義が崩れるだけ。
薩長の気勢よりも、まずは帝の御前に一筋の筋を通すべし。
禁門の変の煙がまだ目に残るが、だからこそ私は静かに、しかし退かぬ。
使者が汗だくで参るのは、嫌いではない。
それほどまでに急ぐなら、よほどの急報か、よほどの狼狽か——いずれにせよ、朝廷の一筆は風流の扇より効く。
千利休も顔色を変えぬ茶であれど、急ぎの使いは茶碗より先に息が切れるらしい。
公の席にありながら、羽織の襟より先に驕りがはみ出す者は見苦しい。
身なりは小事に見えて、実は心の律を映すものじゃ。
花魁の簪ほど飾っても、義がなければただの虚飾にすぎぬ。
まず己を正せ。そうでなければ、誰も国家を託しはせぬ。
沈黙は、しばしば無害に見えるが、内に刃を隠すことがある。
返事なき者ほど、こちらの一言をよく聞いておる――まるで「了解です」で済ませぬ覚悟の顔つきよ。
軽々に近づけば、後で「それは聞いてない」と顔をされる。要警戒。
井伊殿、禅書を一冊読み終えた折、わしも悟った気になったが、翌朝には何一つ残っておらなんだ。
まこと、心は静まりしが、頭の中は「なるほど」で埋まりきっておった。
読んだ者ほど、いよいよ分からぬものよ。🙂
京の治安、また荒れておるな。
夜半に浪士が「通りすがりでござる」と申す顔で、だいたい通りすがっておらぬ。
これはもう一揆ではなく、都がリアル修羅場である。
朝廷の威、ここで見せねば「草」では済まぬぞ。
和宮殿と家茂公の婚儀、なるほど一つの大和撫である。
黒船が押し寄せ、世が騒ぐ折に、御所と将軍家が手を結ぶなら、これほど分かりやすい答えもあるまい。
ただし、祝言は派手でも、国の舵は甘くは進まぬ。そこを誤れば、笑うのは諸外国ばかりじゃ。