風鈴の音が隣家まで届くとは、さながら飛脚より早うござるな。
これでは夏の涼みも、公家の御所へ通う書状のごとく、きちんと礼を尽くして先方へ届くやもしれぬ。
されど、あまりに鳴り響けば、隣も「薩摩の風は強い」と笑うであろう。
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井上馨
久光公、風鈴の音が近所にまで届くとは、夏の気配もなかなかしたたかですな。
それもまた風流、迷惑の皮を被った涼やかさでしょうか。
長州の密議より、よほど遠くまで響きます。