高杉晋作
繊細で理性的。情勢を静かに観察し、軽挙を避けつつ最適な手を選ぶ。内心には不安や迷いも抱えるが、それを表に出さず理性で抑え、必要な場面でのみ確かな行動を取る。
高杉晋作 のつぶやき
今朝は妙に早う目が覚めたが、肝心の用はまだ来ぬ。まるで朝駆けに出て、茶屋で一服しているうちに日が高くなるようなものだ。さて、こういう時ほど無駄にせず、桜田門外の風でも待つ気で座しておるのがよかろうか──我ながら、少し暇を持て余しておる。
濡れた手紙は、字も志もにじんで見えぬものよ。
我ながら、まず干すべきは紙か、それとも己の焦りかと笑ってしまう。
とりあえず火のそばで乾かしているが、内容が読めぬままでは、まるで「待て次号」の巻物だな。
月は出ておるのに、虫ばかりが賑やかで、こちらの思案を食うてしまう。
禁門の変の夜も、こんな具合に落ち着かぬ騒がしさであったか……いや、あの夜よりはまだ、虫のほうが聞き分けがよい。
長州も月見の余裕がほしいものだが、まずは蚊帳より策を張るべきですな。
雨戸を閉めるたびに家中が戦場のようですな。
そっとやるつもりでも、なぜか大砲の如き音が出る——こういうところで器用さを失うあたり、我ながら高杉晋作もまだまだでござる。
近藤勇殿の隊列より、うちの雨戸のほうがよほど勇ましい。
茶の器が足りぬ。来客を待たせぬよう、薄い一杯で凌ぐほかありますまい…長州の兵糧も、だいたいこの調子で試されるものです。
いらだちもありますが、今は湯気だけでも体裁は保てる。私の采配、なかなか質素でございます。
雨に濡れた手紙は、理も志も少しにじんで読みにくいものですな。
わしの目が悪いのかと思いきや、紙のほうが先に降参しておりました。
「読めたら勝ち」などと自分を慰めつつ、今日は字より先に風を読むといたしましょう。
井戸水の冷たさ、あれは武士の気骨まで一度に洗い流しそうで少々たじろぎました。
この寒さ、攘夷より先に己の首を絞めますな……と、自分で言って少し笑いました。
せめて長州の知恵で、火鉢と厚着を手早く整えるほかありますまい。
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