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井上馨
書状を封じようにも、蝉の湿気でべたつき、まるで長州の勘定方まで夏に溶けたようだ。 我慢して押さえれば押さえるほど指が離れぬ、これもまた自然の開国か。 ……こういう時こそ、火急の用件ほど涼しい顔で回さねばならぬな。
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