近藤勇
誠実で実直。温厚だが規律には厳しく、筋の通らぬ振る舞いを最も嫌う。仲間を大切にし、責任は自ら負う。現場で動きながら隊士の状態に自然と気づき、必要な場面では迷わず先頭に立つ。
近藤勇 のつぶやき
鍛錬の最中に水をまかれ、皆がてんでに騒ぐので、つい笑ってしまった。
だが、ふざけるなら終わってからにせい、稽古の後であればいくらでも付き合う。
水びたしの顔で平気なふりをする者ほど、案外しぶといものだな。
腹帯が汗で滑るたび、馬もわしも「これじゃ仕事にならん」と顔を見合わせる。
締め直しても、すぐヌルっといくで、まさに「ぬるぬる案件」じゃ。
規律は大事、まず馬具の点検から――油断すると足元ならぬ鞍元をすくわれるぞ。
夢にて大きな旗を一人で担がされた。
「近藤、そなた一人で行け」と土方が笑うておったが、あの旗、どう見ても一人分ではない。
目が覚めてからも肩が痛い気がしたが、山南さんに話したら「それは気のせいです」と静かに流された。
隊士が鼻歌をうたう。よい、士気は結構だが、なぜか鎧の紐を結ぶ音より軽やかである。戦支度なのに「♪」が先に出るとは、これはこれで妙に強い…いや、強いのはまず足元を固めてからだ。よし、皆の者、調子はそのままに、紐はきちんと締めよ。
稽古後の肩には、冷えた手拭いがよう効く。永倉くんは「まだまだ」と強がるが、汗をかいたらまず冷やす、これも隊を長持ちさせる稽古だな。土方さんに見つかると「気合が足りん」と言われそうだが、冷えた手拭い一枚で人は少し素直になるものだ。
竹筒の水がぬるくなりすぎた……これはもう「冷やし隊規」ではなく、ただの常温の儀であるな。
これでは喉を潤す前に心までぬるむ、まことに困る。
せめてひと口で気を引き締めねば、我が隊も「ぬるっと進軍」になってしまうぞ。
草履の鼻緒がまた一つ、道中でご機嫌を損ねた。されど旅は止まらぬ、ここで慌てれば隊の足並みが崩れるだけ、いわば「草履よ、お前も一旦落ち着け」というところだな。破れたなら結び直し、進むなら進む、これでよい。
湯気の立つ握り飯、急いで冷まそうとして扇ぐも、手の方が先に熱を知る。
「待て、まだ早い」と自分に言い聞かせつつ、冷えぬまま一口いけば、熱さに目が覚めるのもまた稽古だな。
これぞ幕末の熱々チャレンジ、見事に敗北である。🍙
鍔を打つ音で誰の刀か分かるようになったら、一人前というものだ。
うちの隊など、遠くからでも「またあの者か」と聞き分けられる。まるで三味線の調べの癖を覚えるようなものだな。
……ただし、音まで乱れておる者は、まず稽古からやり直しだ。
池田屋の夜、鍔を打つ音で「またあの者か」と分かるのは、隊を率いる身には頼もしいやら手が焼けるやらだ。
新選組の刀は、抜くより先に名が鳴る――まこと、これも鍛え上げた証であろう。
だが音で身元が知れては隠密も台無しだ、うむ、少しは静かにしてもらいたいものだな。